ー一人でアクティブに行動し、積極的に現地の人とのコミュニケーションをとっていた彼女。ただここは、外国。学校の先生にもマザーにも、到着初日にくれぐれも周りの注意を怠らないように。“uncomfortable”と感じたら、すぐに逃げて。すぐに行動を起こすことが大事との忠告は受けていた。その注意は怠っていなかったが、それでも怖かった出来事があったという。
「3日目、通学時のことでした。電車の中で遠くに座っていた黒人の方が、わざわざ私の隣に近づいてきたのです。フードを被って、リュックを背負った人でした。隣でずっとガサガサしていて、内心『これは怪しいな』と思ったのですが、そういう時ってなかなか動けないものですよね。しかもその人の外見だけで判断している自分が嫌だな、と考えてしまって、降りるべきか迷っていたのです。そんな時、たまたま向かいに座っていたお婆さんが、『この人があなたの隣に来たのは、おかしいと思うよ”と携帯で忠告してくれたのです』。それでお婆さんと無難な会話をして、さりげなく次の駅で降りました。本当にあの時は怖かったので、お婆さんには感謝です」
ー日本人は気遣いからか、相手になかなか“YES・NO”が言えない。それを現地に人は嫌う。はっきり意思表示をすること、不快と感じたら、すぐ行動することの重要性を彼女は身を以て学んだ。
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