大学1年の春休みに語学留学を体験した、渡邊さん。
海外に行くのは、初めて。英語が得意なわけでもない。
そんな彼女が、ただ負けず嫌いを武器にたった一人で向かったイギリス・ロンドン、1ヵ月のホームステイだった。
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── 渡辺さんに、留学生活は具体的にどんなイメージだったのか? と訪ねてみたところ……。
「そもそも海外旅行は、行ったことがないんです。」
と、まず一声、意外な言葉が返ってきた。
彼女は一体どんな想いで留学を決意したのか。
「仲のいい友達が大学の交換留学に決まり、その話を聞いて“私も”とフワフワした気持ちで話を聞きに行きました。英語ですか(?) 全然、話せませんでしたよ、むしろ苦手です(笑)。大学の授業でも受験英語は出来ても喋れないし……。もともと留学は英語が得意な人が行くもの、という固い思考でした。でも大学には日本に来ている留学生も多く、皆日本語をどんどん話している……。そんな姿を見ていつのまにか「私だって、受験であんなに英語を勉強したのに、話せないなんて“くやし過ぎる!”」と、なっていました(笑)。元々負けず嫌いな性格の上、人見知りもしないので、『よし、じゃあ、私も1ヵ月なら気合で行って来よう』という思いに変わったのです。だから私は生協で行くことに決めました。留学するには大学のプログラムもありましたが、大学のプログラムで留学すると、やはり大学の友達同士で固まってしまう。向こうに行っても私は早稲田大学の学生として英語を話すんだろうな、という未来が見えてきちゃう。それが一人で行くと、イヤでも“ひとり”をつくれる経験ができる。しかも生協なら手続きが簡単。だって私はパスポートもなかったし、飛行機も乗ったこともないし、成田空港さえも行ったことがなかったんです。外国に行くには何をすればいいか、何もわかっていなかったのですから(笑)」
留学先はイギリス・ロンドン !
「最初、大学生協に行ったときに進められたのは、カナダやオーストラリアです。イギリスは日本からも遠いし、初めての海外ならなおさら。でも私は西洋史専攻で、大自然より美術に興味があったので、関心はヨーロッパにありました。しかもずっと東京に住んでいるので都会の生活がいいと思ったのです。旅行なら大自然が素晴らしい国もいいのですが、1ヵ月でも生活するなら、ちゃんと電車やバスが通っている便利な町がいい。それでロンドンを選びました」
── そこからたった一人でいく、海外。
不安がないわけではない……。
「リーズナブルに行こうと、日本からの出発でエミレーツ航空を選びましたが、なんと、ドバイで乗り換え! “トランジェット”って、なんだろう(笑)。やり方さえ分からなかった。だから英語の標識を頼りに人に聞きまくり。初めて感を出しまくっていたら、皆親切に教えてくれたので、助かりました。なんとかなるものです(笑)」
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