── オープンな性格の彼女は、クラスメート以外にスクールメートも多く、午後の授業後、土日で友達と観光や食事に出かけることも多かったという。そして、彼女たちとは今でもSNSでつながっている。
「友達は学校のラウンジで知り合った人が多いです。国はバラバラで、皆一人でワーキングホリデーや研修留学に来た人ばかり。一緒に観光やミュージカル、映画、パブにも行きました。その中でもナイアガラの滝は、やはり良かったです。日本で『カナダに行くならプーティンを食べてきなさい!』と言われたので、楽しみにしていました。〈プーティン〉とは、代表的なカナダ料理。フライドポテトにグレイビーソースと粒状のチーズカードをかけたファーストフード形式の食べ物です。もちろん、食べましたよ。“味ですか? ”う〜ん? 高カロリーで濃厚な味。だから最初は美味しかったですが、すぐ飽きますね(笑)」
── 友達との楽しい時間、ホストマザーとの程良い関係、英語にどっぷり浸かれた充実した毎日。それを経験した自分を改めて顧みると。
「帰国した直後は、日本人と会話をしているはずなのに、英語がぱっと思い浮かびました。つまり、まるで日本語を話している感覚で、英語が言葉として出てくる。名詞も英語が先に思い浮かび、日本語では何と言うのかと考えたりして……。それは英語で出てきた言葉をわざわざ日本語に変換するイメージ。“なんでこんなに日本語って難しいのだろう”と思うぐらいでしたね。友達からも『え? 大丈夫? 日本語ができなくなってきているよ』とまで言われ“トロントかぶれ”って、からかわれたりして(笑)。それが現在では、ちょっと考えなければ英語が出てこない。すっかり思考が“日本人”になってしまいました(笑)」
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