── 違う国の人と受ける授業。不安の中での授業とは。
「まず、クラス分けのテストがありました。筆記とスピーキング。筆記は基本的な文法問題と自己紹介。だから一番上のレベル6のクラスになっちゃったんですよ。クラスは私を含め、ブラジル・韓国・台湾の4人しかいなくて、私以外は皆英語がぺらぺらだし……。授業始まっても不安だらけ!先生と話すよりペアワークが多く、相手が一方的にぺらぺらと話し、『で、君はどう思う?』って。まさに『えっ? うわぁ!』しか出てこなくて……。しかもブラジル人はなまりが強くて聞き取れない。4人しかいないので休んでいるヒマはないし、午前中50分が3コマあって、お昼挟んで午後50分が2コマ、もう本当につらい、疲れました。もちろん言っていることや、何をやるかは分かるけど、何よりテキストに書いてある単語が分からない!レベル6クラスは英語に堪能な人ばかりなので、例えば口語ならこう使う、こう書くなど、基本的な使い方ではなく、レベルが高い人たち向けのテキストなのです。しかも基本、辞書は使ってはダメなわけで……」
── レベル6クラスでの授業、それを彼女はどう克服したのか。
「先生に聞くか、ペアの人に積極的に『コレ、なに?』って聞きました。最初は聞けませんでしたが『どうしよう、分からないと始まらない!』と、思い切ったんです。あとは家で予習ですかね。その努力もあって、2週目後半からはクラスにも英語にも少しずつ慣れてきて、3週目はノリに乗っていた。ただ4週目はレベル5のクラスから数人が上がってきました。その人たちは、正直私より話せるのです。『もともとレベル6にいるのに、あの子、全然話せないじゃない』なんて思われているんだろうなぁ、って。思ってもいないんだろうけど、勝手に自分で自分にプレッシャーかけていましたね。他人と比較しても始まらないのにね。それでも授業は面白かったですよ。向かい合ってペアで行うのですが、先生が黒板に書いた単語を一人がそのワードを言わずに、相手に説明しながら伝えるんです。連想ゲームみたいに。例えば『こういう文章で使うよ、こう表すよ』とか。そんな中でクラスメートに言われたことですが『君は発音がいいね』と褒められ、嬉しかったです。基本的に日本人は特有の発音があるらしいんです。きっとカタカナ英語なんでしょうね」
|