── 誰も知らない外国で、たった一人。不安もあり、つらい思いもしたであろう。でも今は笑顔で答えてくれる彼女たち。研修を終えて自分自身が変わったこと、分かったこととは。
岩下 不思議なことですが、成田に着いた時、日本語ばかりが聞こえてきて、「なんかヘン!」と思った自分がおかしかった。しかも外国人に道を聞かれても聞き取れるんです。以前は英語が抜けていくようだった。ただBGMのようにしか聞こえなかったのに、言葉が残ってきた。だから、あとは思ったことを話すだけでいいんです。そういえば、帰ってきてから周りの人に『結構、大胆だね』とも言われました。もともと自分の方から積極的に話すタイプではないので、その言葉は意外でしたね。だから変わったのかな、私!? 今までは、お店の人に聞くのにも「ちょっと、どうしようかな」と思って怯んでいたけど、ここは日本だもの、日本語なら何でも聞ける。英語でなくともいいわけだし、と思えてきました。
南 そうだよね、私も少しだけ自信がつきました。頑張って伝えようとすると、意外と伝わることは実感できました。反面、「やっぱり日本が好きだな!」とも思えました。日本にいると、人が多くてザワザワして、嫌だったんです。でも外国に行ってみると、日本の美しさや謙虚さなど、日本って素晴らしいなって思いました。
岩下 日本では当たり前のことが、向こうでは通じないことは多々ありますよね。外国はカード社会です。たまに現金を使うことがあり、お金を崩すと、間違って返ってくることも度々。適当なのでしょうけど、そんな時は頑張って「ノーノー」と言う。言わないでいたらそれでOKになる。だからしっかりと意思表示しないとダメなんです。
── ともに中学の時にロンドンに留学・移住していた二人。今回はその頃とはきっと違う自分自身を感じ取ってきたのだろう。成長した彼女たちに、今後のことを聞いてみた。
岩下 あの頃とは考え方も感じ方も確かに違います。中学生の時は、ホストファミリーが学校と家への送り迎えをしてくれたり、授業は丁寧に、ファミリーはゆっくりと話してくれました。だから本場の英語に触れていなかったのかもしれません。しかも中学生でまだ幼く、何も考えなかったので、ただただ楽しかった。今回はそうは行かず、いろんなことを考えて思慮深くなり、悩みもしました。だからこそ、それを感じ乗り越えた時の達成感は本当に大きかった。また今度外国に行って、いろんな人と触れあう機会を持ちたいとも思います。結構、メンタルは強いのかな、私(笑)。
南 今回は大学の夏休みが1ヶ月位しかなく、留学に割けるのが2週間しかありませんでした。でも来年以降は学生生活が忙しくて語学留学できなくなるため、行くなら大学2年生のこの時期だと考えていたのです。2週間という短い期間でしたが、とても充実した日々を過ごせました。今後はもっと積極的に国際交流に参加していきたいと思います。
── 今後語学研修に行く人へのアドバイスとしては、何かありますか。
南 ホストファミリーへのお土産は持っていった方がいいかも! 結構、会話のネタになりますよ。
岩下 でもお土産はちょっとひねった方がいいと思います (笑)。ホームステイを多く受け入れている家庭では、王道なものを持っていっても感動が少ないかも! 私がそうでしたので、ちょっとご忠告まで。
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