── つらかった一週間が過ぎ、楽しい語学留学が始まった。二人はどこの国の人と一番仲良くなれたのだろうか。
岩下 私は日本人です。
南 私もやっぱり日本人かな(笑)。毎週金曜日にアクティビティの授業があり、4種類くらいのコースがあるんです。例えば、山・自然、バンジージャンプみたいなスポーツなど、1日かけて行われます。特に楽しかったのはウィスラー観光です。7時に出発、バスで向かいました。日本人が多く参加し、まるで遠足のよう(笑)。ゴンドラ&リフトで山頂へ上がり氷河を見渡す360度の雄大なパノラマは素敵でした。
岩下 私の学校でも毎週土日にアクティビティがあり、友達と毎週参加していました。楽しみにしていたのが、やっぱりウィスラーとビクトリア観光。でも残念なことに研修3週間目だったこともあり、お金が無くなり、ウィスラーのゴンドラは乗れなかった。日本に帰ってきてから、皆に『ビクトリアのお花畑より、ウィスラーのゴンドラでしょ!』と馬鹿にされましたけどね(笑)。だってゴンドラ料金、高いんですよ!
南 そうそう、高いよね。でもウィスラー観光の前日にホストマザーからお金はかかるけど、絶対にゴンドラに乗った方がいいって、言われました。
岩下 いいマザーですよね。
南 それが、最初はファミリーと合わなくて、つらかった! ファザーはブラジル、マザーがベトナム人で、5歳(女の子)と7歳(男の子)の4人家族でした。振る舞うのがブラジルの文化らしく、彼らはすごい勢いで朝から話しかけてきてくれたの。私は大人しい方だし、しかも朝からそんなに話せないし……。彼らも日本人の謙虚な文化なども理解できなく、そんな私を見て、勘違いし、機嫌悪いと思われちゃったんです。だから最初はごたついてしまい、プレッシャーでした。でも性格を変えるのは厳しいけど、自分の意識を変えてみようと思ったの。それで積極的に無理のない程度に自分からも話すようにしました。するとファミリーともクラスメートとも自然に溶け込んで行けた気がします。ただ家で主に遊んでいたのは、5歳の女の子。日本から買っていったお土産の折り紙や塗り絵、磁石で作ったおもちゃなどが役に立ちました。
岩下 (ちょっぴり寂しそうに…)いいですね。私もホームステイとの触れあいを期待していたのですが……。ファミリーはフィリピンの方で、おばあちゃんとマザーと5歳(男の子)、12歳(女の子)。空港から家に着いたら、そこにいたのは子どもが二人。その後、12歳の女の子に『部屋はここだよ』と案内してもらっただけ。私は“どうすればいいんだろう”と不安なだけでした。初日はファミリーと一緒に夕食を食べましたが、あとは朝も夜も一人。『カホ、ご飯だよ』と呼ばれても、私の分が用意されているだけ。皆バラバラに食事をする家庭だったみたい。でもその分、気楽で、外で友達と毎日一緒に好きなものを食べていました。ただ帰りは、5歳の男の子とおばあちゃんに見送られ、マザーは仕事で出かけていたため、お別れの挨拶もできなかったのが心残りでした。
南 子供たちとも遊べなかったの?
岩下 私も子どもと遊ぶつもりで風呂敷や折り紙などのお土産持っていったけど、留学生を多く受け入れているらしく、感動してもらえなかったのが、残念!
── 二人ともホストファミリーと一緒に遊びに出かけたりすることは残念ながらなかったという。でもその分、クラスメートと楽しい時間が持てたとも話す。 |