高橋 ホームステイ先のスチューデントは、私以外にフランス人とロシア人がいて、いつも皆で朝食を摂り「帰ったら、何する?」「明日皆で出掛ける?」と仲良しでした。 宮腰 僕はマザーとファザーのみで、ずっとリビングで話していて、密な時間でしたね。ただ学校が遠いのでいつも大変でした。学校がバンクーバーで、ステイ先が入江を挟んだノースバンクーバーだったんです。シーバスに乗り、それから地下鉄。遠くて家に帰ってくるのが、毎日夜8時から9時。朝は7時半には家を出るのが日課でした。 高橋 じゃあ、朝食はファミリーと一緒に食べなかったの? 宮腰 マザーが起きるのが7時15分。だからサンドイッチだけ作ってくれて「いってらっしゃい!」ってカンジ。 高橋 いつも何時に起床していたの? 宮腰 5時半から、6時起き。宿題も毎日あって、ファミリーとゆっくり出掛ける時間もなかったですね。ある日、バスの時間を間違えてしまいアクティビティーに行けなかった時があったんです。メチャ、ショックな僕に、ホストマザーが『いつも忙しいから、今日はゆっくりしましょう!』と。庭のベランダでビスケットにチーズのせて食べながら、二人でずっと世間話していました。それは和みましたね。 高橋 通学は大変だったけど、そんな貴重な経験できないよね。私は通学に関しては比較的ラクでした。家から最寄りのバス停まで歩き、バスと電車で50分ぐらい。でもずっと不思議だったのが、町の時計がどれもこれも時間が合っていないこと。シンボルの時計さえも間違っていた。 宮腰 日本ではあり得ないことだし、気になるよね。 高橋 それで聞いてみたのね、「何で合っていないか」って。そしたら『自分の時計を見れば問題ないから、大丈夫だって』結局は誰も見ていないわけです。でも、それって5、10分ではなく、8時間ぐらい違っているんですよ(笑)。 宮腰 かなり大雑把だよね。却って時間が合っていたら、疑っちゃったりして(笑)。バンクーバーはそんなことはなく、電車さえ遅れませんね。時間通りに来ます。ただ危ないのは駅員さんがいないため、毎朝人がドアに挟まれていました。自分も挟まれましたね(笑)。