──二人が留学先に選んだ国は、それぞれ。宮腰さんは、Canadian as a Second Language Institute(Vancouver)、高橋さんはCentral School of Eng lish(London)。お互い4週間のホームステイだった。
宮腰 学校全体では日本人が多かったのですが、クラスには1〜2人ぐらい。レベルは10段階で、真ん中ぐらいでしたね。それ以上のクラスはビジネスで来ている人ばかり、ネイティブでついていけない。それでも毎週チェンジがあるんです。それは先生が決めたり、生徒自らの判断でクラスを変えてもらったり……。宿題もほとんど毎日で、テストも週2回はありました。
高橋 大変! AM/PMで先生が違うの?
宮腰 AMはリスニング、PMは文法とかね。ただスピーキング+リスニング・文法といったリスニング中心の授業。でも、ただ授業を受けていればいいだけではなく、先生ごとのプリントもあるし、クラスごとに特徴もあって意外と大変だった!!
高橋 まだ私の方が厳しくなかったかなぁ。学校は、上中下の3段階のクラスでした。まずクラス分けのテストがあり、その後個人面談。でもテストのレベルは「日本人なら、まず満点」というくらい中学生レベル。だから上級クラスに入ったのだけど、まあ、それからが大変でした。文法のチェックでは「この文法を使って文を作ろう、話そう」と言うペアーワーク授業。先生がホワイトボードに書いたものを書き写すのではなく、リスニング重視。上級クラスだからか、最初は聞き取れなくて『どうしよう』ではなく『もう帰りたい』『何で来たんだろう』まで追い込まれてしまったのです。
宮腰 そこまで……。
高橋 クラスメートに指まで差され、笑われたりして、英語を聞こうにも入ってこない状態でした。私は落ちるところまで落ちたからね。「もう絶対話したくない!」って思ったほど。しかも最初にペアーになった生徒も「もう“お手上げ”だぜ」って、両手広げたあのポーズをされて……。
宮腰 それは気持ちが萎えるよね。
高橋 コミュニケーションが取れないから、ただ本当『ごめんなさい』って言うしかない!迷惑かけたなと思いました。指差したイタリア3人組によくよく聞くと、なんと「自分の将来の目標は日本で働くこと。だから友達になって欲しかった」と。たぶんコミュニケーションが取りたかっただけのこと。それは後から分かったけど、その時は辛かったですね。ほんと、「もうイタリア人は、無理」って思ったもの(笑)。でもそのイタリア人とは、今でもLINEで続いているんですけどね(笑)。
──ひと言聞けば、話せば分かり合えたのに、立ち塞がったのが“言葉の壁”だった。
高橋 “何で彼らに指差され、笑っていたのか”、ずっと疑問だったのですが、後から一緒のクラスメートになった日本人に聞くと、「私もそうだよ!」と教えてくれました。日本人って写真撮る時はいつも“ピースサイン”するらしい。それが面白かったって!それだけのことだったのです。
宮腰 そう言えば、アレは日本人だけですよね(笑)。ただ後になると皆“ジャパニーズスタイル”って“ピース”して写真撮るよね。
──現地での写真を見てみると、確かに彼女一人が“ピース”をしているようだ。
高橋 結局、皆話したがり屋が多く、日本人とコミュニケーションが取りたかったみたいです。でも私の方が萎縮しちゃって、話せなかった。それに気づいたのがやっと2週目でした。それからはラクになり、楽しくなってきました。3週間一緒のクラスの人には「すごく成長したね」と、褒めてもらいました。
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単語の宿題は、CBC Newsを聞き、5W1Hを考える。ノートの量が宿題の多さを物語る。 |
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Canadian as a Second Language Institute
ダウンタウンのお洒落な立地と家庭的な雰囲気が魅力の学校。親切で熱心なスタッフのケアと豊富なイベントで学生同士の交流が盛りだくさん。毎週金曜日には「アクティビティの日」を設け課外授業が楽しめる。
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