私のステイ先は、バンクーバー市内の郊外にある小高い丘の街にありました。バンクーバー空港から乗せてもらった車がその街で停まるか停まらないうちに一人の女性がコンコンとものすごい速さで車の窓をノックしています。
そしてAre you Ayaka? Are you Ayaka? と車の外から何度も聞いてくるのです。ドキドキしながら私が車を降りると、今度はいきなりギュッと抱きしめられました。もう察しがつくでしょうが、そのとってもテンションの高い女性が私のホストマザーでした。
ステイ先は日本でいう2LDK のマンションのような住まいでリビングを挟んでホストマザーの部屋と私に用意されている部屋がありました。ホストマザーは一人暮らしでエアロビクス関係のインストラクターの仕事をしているとのこと。だからとってもリズミカルで料理なども歌って踊りながらです。いつもアクティブで食事が終わってひと息ついたら今度は散歩に行こうと誘ってくれます。会った瞬間はそのノリの良さに圧倒され気味でしたが、すぐにこの人となら楽しくステイ生活がやっていけると思いました。
ステイ先の近くはクイーンエリザベス公園というカナダでも有名な公園があります。そこには公営の植物園もあり、彩り豊かな花がたくさん咲いていました。
散歩しながらホストマザーは、バンクーバーで道に迷わない方法を教えてくれたのです。それは山の見える方が北だということでした。
ところが、翌日、学校が終わって帰ろうとしたときにハッと気づいたのです。バンクーバーは高層ビルの多い街で学校のある中心街では、ホストマザーが教えてくれた山は全然、見えません。こうなったら自分の方向感覚だけが頼りでした。でも私はかなりの方向音痴。学校から歩いてすぐの駅にたどり着かないのです。信号を待っている人に道を聞きました。どうやらまったく反対方向に歩いていたようです。そのことをホストマザーに話すと大笑いです。でも知らない人にも積極的に英語で話しかけたことは誉めてくれました。
それから日本人は語学研修に行くとお土産をたくさん買う人がいるけれど、そんな時間はもったいないと話してしてくれました。2週間という限られた時間をたくさん英語を話して有効に使うことが、一番のお土産でしょ。そうホストマザーは、言うのです。私は感動してyes と大きく頷きました。
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