海外旅行も、留学も、経験があるという、T.S.さん。「でも4週間という長い海外留学は初めてです」と語る。
「高校のプログラムで2年生の夏に、イギリスへ行きました。その時は2週間という短期留学。1週間はホームステイ、あとの1週間はホテルや大学の寮という日程で、参加者と先生が2人引率でした。語学学校にも通ったり、観光もしたりと、おもしろかったですね」
今回の語学留学とは全く違った印象だったと話す。
──高校時に語学留学の経験のある彼女は、当然のこと大学でも語学留学を考えていた。
「美術大学なので、なかなか語学と結びつかなくて、決心がつかなかったんです。正直迷ってはいました。確か、受付の締め切りのギリギリで申し込んだ気がします」
──T.S.さんは、1年の春休みにアクションを起こした。迷っていた彼女の背中を押してくれたのが、両親だった。
「自分でも 3.4年生になると、専門教科の勉強や就活にもなるので時間がない。長い休みが取れる時期は、1.2年の休み。この時期に語学留学を考えなくては思ってはいました。そんな時に親が『あれ、行かないの?休みがこんなに長く取れるチャンスはないよ』と言われ、『行っていいんですか?!行きます!』と即答しました。だから最後のひと押しは両親です」
──彼女が選んだ研修先は、オーストラリア・ブリスベン。4週間という集中コースだ。
「期間は語学を学ぶには、2週間では物足りないと思いました。ただ何より研修の目的は語学を学ぶことだけではなかったのです。英語を学ぶだけならば、語学学校に行ったりすれば、ある程度日本でもできます。それだけではなく、私にとって大事なのは[出会い]そのもの。 行った先の土地や人に触れ、空気を体感すること。それは行かないと決して分からないことです」
──たった一人で4週間、外国へ行く。不安もあるが、それよりも持ち前の好奇心が“行っちゃえ!”と飛び込む勇気に変えてくれたのだろう。
研修校はブリスベン市内中心部からバスで10分ほどの住宅街にある[シャフストン インターナショナル カレッジ]。緑の中の広々としたキャンパスが魅力の学校だ。構内にはカフェ、図書館、学生寮が完備。彼女は、ホームステイではなく、この学生寮を選択した。
「高校生の語学留学で、1週間でしたが、ホームステイを経験しました。その時にホストマザーとのコミュニケーションで、正直疲れてしまって!きっと気を遣ってしまったのでしょう。だから今回は勉強に集中したくて、校内に寮があるこの条件は、私には最適でした。まさに校舎の建物の上層部が寮になっていて、エレベータで降りたら、そこが学校。学生寮に滞在したい人には、この学校は本当にオススメですよ」
──語学留学は、学校のオリエンテーションから始まる。その後、クラス分けのテストが行われ、クラスが決定し、研修が始まるのだったが、ここで彼女がまず驚いたことがあった。
「オーストラリアは比較的他国に比べて治安も良いせいか、とにかく街でも日本人が多かったです。観光地で働いている日本人も多数出会いました。帰国後、東京駅に着いた時、“もしかしたら、ここの方が外国人、多いかも!?”なんて思ったくらいです(笑)”。それは学校も然り。私が行った時期は尚更なのでしょう、同じタイミングで入った学生も多く、7.8割方が日本人でした。 日本人スタッフの方もいて行き届いたケアで安心なのですが、学校のオリエンテ−ション時、日本人だけが集められ『今からオリエンを始めますが、日本語がいいですか、英語がいいですか』と聞かれ、まず『え!?ここに来て?』と正直ビックリしました。結局、日本語のオリエンテーションでしたけど(笑)」
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