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* 暮らし編

楽しい寮生活だったが、アクシデントもまた多し
寮の部屋からの景色

──寮生活をホームステイではなく、寮生活を選択したT.S.さん。彼女の語学留学はこの寮からスタートだった。どんな寮生活だったのかを尋ねると……。

「アクシデントの連続でした。飛行機のスケジュールで、最初寮に到着したのが、早朝。入り口でインターホーンを押し、鍵が出てくるというシステムだったのですが、インターホーンを押せど、コミュニケーションが取れず、『無理です!』と、うまく受け取りができないんです。仕方ないから暑いなかロビーで、皆で待つこと約3時間。寮から日本人らしき先輩たちが出てきて『これは日本人の最初の試練なんだよ』と笑って話してくれました(笑)。到着直後だっただけに不安になりましたね。その後、部屋に入ると、まずモノのチェックシートが配られ、そこでの確認作業から始まります。[お皿大小◯枚、ケトル…]、ただ、お皿の数なんて全然数合わないし、ケトルなんてないし、“アレ?”って感じでした。それでも帰国時に数が合わなかった場合、私の責任に関わるのでレセプションに話しに行くことに。すると『多いならいいよ、少ないなら持っていってあげるね』と簡単に言われ、拍子抜け。“何のためのチェックシートなんだか、アバウトですよね(笑)”。他にもまだあります。水道の蛇口が壊れていて、手で抑えないと、水がシンクに溢れて大変でした。すごいボリューム!
 
相談に行くと『あ〜OKだよ、明日直しに行くね』って、すぐ直してくれました。日本ではあり得ないことですよね。でも『言わないと、そのままなんだ!』、まず寮で学びました(笑)」

──日本でも一人暮らしのT.S.さん。寮でもしっかり自炊だ。その訳は、オーストラリアは物価がとにかく高いかららしい。構内のランチも決して安くはなく、自ずと寮で自炊のランチとなる。先輩たちから市内中心部の安いスーパーの情報を得、わざわざ行くことさえも厭わなかった。

「いくつかのスーパーを教えてもらって、水、果物、パンなど、それぞれに安いスーパーを選択していました。まるで主婦みたいですよね(笑)。私だけではなく、寮の皆がやっていて、新しく入ってきた学生に教えてあげるという歴史があるみたいです。『日本でもそうしますか、って?』、いえいえ、日本では1つのスーパーです。これもオーストラリアの物価の高さゆえなのでしょう。だって水がペットボトル300円ぐらいするんですよ。日本に帰ってきたら、水は100円で買えるのにね(笑)」

アクティビティも授業も“話さないと何も始まらない”
とにかく口に出して言ってみることが大切です

──午後の授業は15時15分まで。その後はアクティビティへ。

「結局、無料のアクティビティには参加できず、前から行きたかった観光スポットであるゴールドコーストへ無料フェリーを使って出掛けました。とにかく海がキレイで、晴れた日に行くと水面がキラキラしています。周りにはアウトレットがあって、安いのでショッピングに走りましたね。学校からフェリーだけで行けるサウスバンクも良かったです。ここは街中にあるんですが、人工ビーチで、まるで砂浜のあるプールみたいなんです。他に行こうと思っていた場所は、美術館とダンススタジオです」

──彼女の趣味はダンス。小さい頃より習っていて、特にストリートダンスが好きと言う。

「ダンススタジオは絶対行きたいと思っていました。でも、いざ行ってみると、なんとそこには冷房がなく、それでも大勢の人が汗だくで踊っていました。もうサウナ状態です(笑)。そこで出会いがありました。彼女は日本人なんですが、お互いに最初は分からずに英語で話していたんです(笑)。そんな彼女とは今でもSNSで繋がっていますよ。クラスでも『私ダンスが好き!』と言ったら、サルサの会があるから来ない?と誘ってくれました。『行きます』とフットワーク軽く言ったら、サルサを教えてくれてあげるよと、次々と皆が話してくれる。『何でもいいので、話すと何かしら起きる』、逆に『話さないと、何も始まらない』。授業でも同じです。周りの皆は文法とか全然気にせず、どんどん発言する。逆に発言しないと“恥ずかしい”とさえ感じるようです。話さないから、周りが気にかけてくれる、かけてもらえる、というのは全くないのです」

──こうして、彼女は授業でも、自分の意思をはっきり人に伝える大切さを学んでいった。

ブリスベン・シティホール前でパシャリ 砂浜のあるプール!

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