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写真1 04冬トレックアメリカ
北海道大学農学部 勝又 聖乃さん

生協で何気なく見つけたパンフレットでこのツアーを知り、思い切って参加しました。無謀かも、とも思いましたが、大冒険ができました。生まれてから一度も傘を差したことのない人、北半球と南半球を往復し、夏ばかりすごしている人、バンで何週間もアメリカ中を走り回る人、雪に憧れてカナダのスキー場で働くべく母国を出た人…全く人生観を覆されるような出会いができました。それだけかけ離れた人々が、同じ車で、一緒にテントを張り、食事を作り、観光名所から普通のツアーではいけないような穴場までを巡る。リーダーにもメンバーにも、良い人達に恵まれたおかげで毎日24時間が刺激的でした。


9月15日:New York 360miles(移動距離)
朝NYのホテルのロビーに集合。ツアーリーダー(運転&案内役)はしっかりしていそうなAndrusでメンバーは13人。早速バンに乗り込み出発。Andrusのバンでは毎日席を替えて、助手席の人がその日のDJというルール。緊張はしているけど、街を抜けると広大な景色が広がっていてとてもわくわくした。今日はほとんど移動だけで夕方キャンプ場に 到着。前泊のホテルで部屋を共有して仲良くなったイギリス人のGiovanna( Gi)とこれからテントも共に使うことにした。湖の側で、夕日が 綺麗で何より星空に感動。キャンプファイアーを囲みながらAndrusからツアーの簡単な説明(熊に注意、など)を受けたあとは、くっきり浮 かび上がった天の川を見て寝た。


9月16日 New York 200miles
朝は8時半頃出発(この後も大体この時間に出発)し、まずはPennsylvania のZippoの工場を見学。その後Niagara Fallsへ。風がものすごく強くて吹き飛ばされそうだったが、船で滝の側まで行くと虹が綺麗に見えた。この日でメンバーほとんどと話すことができた。グループに分かれて食事・食器洗い・バンの掃除を交代で行なう。ほとんどの人が 初対面とは思えないほど打ち解けた雰囲気のいいグループだ。キャンプ 場はTorontoに面した大きな湖の側で、また夕日が綺麗。夜9時頃出発 してカナダのカジノへ。アメリカでは飲酒できる年齢が21歳だがカナ ダでは18歳なのでみんなパブに入ることができた。


9月17日 Ohio 280miles
前日寝たのは明け方近くだったのでみんな車内でたっぷり寝ていた。夕方キャンプ場に到着し、Cedar Pointという遊園地へ(希望者)。 といっても絶叫マシンしかない!私はその手の乗り物が大の苦手なので着いたときはとても後悔した。Giは大好きらしく危うく連れて行かれそ うだったが、結局Alex、Jacqui、(二人もオージーでJacquiも絶叫系 が苦手)そしてもう一人の日本人の真一郎(あだ名はRosco)と回るこ とに。本当にみているだけでも恐い乗り物ばかりだった。(アメリカで も有名な場所なので好きな方には最高だと思う。)今回一緒のオーストラリア人はほとんどがアメリカで夏の間働いて、中には本格的に住むこ とを考えている人もいるようだ。Alex達に訊いてみると、「オーストラリア人は旅行が好きで、今はアメリカやイギリスに行くことが流行っているのよ」と言っていた。偶然こんなに集まったわけではないようだ。


9月18日 Chicago, Illinois 350miles
午後シカゴへ到着。街に入るとAndrusがマイクで名所の説明をしてくれた。そしてホテルへ行き、久々のベッドで大喜びした後散歩にでかけた。夜は待ち合わせをしてピザを食べに行った。シカゴ名物のピザはフライパンで焼いていて厚さに驚いた。その後は本場のブルースを満喫して夜中にホテルに戻った。


9月19日 Chicago, Illinois 移動なし
画像シカゴから一時間時差ができたことを忘れていた。時差分早起きしたことになりGiとMariaとLake Michiganのビーチまで散歩した。(こ の後3回時差を体験)湖とは思えない広さで、たくさんの人が砂浜でひなたぼっこや砂浜に沿った道でジョギングやサイクリングをして賑わっていた。午後はまた待ち合わせをしてChicago White Soxの試合観戦へ。母国ではあまり野球になじみがないというイギリス人、オーストラリア人と応援するのは新鮮だった。試合は快勝!その後みんなと別れて一人で散策しつつLincoln Parkまで歩いてみた。行きたかった動物園は閉まっていたけど公園、湖畔、マンション街を歩くのは楽しかった。 夜に世界で二番目に高いビル、Sears Towerで二人と待ち合わせしていたのでそのまま歩いていたら、いつのまにか日が暮れ、人気がなくなっていった。日曜なためか、街の中心地のはずなのに店はすべて閉まり、 静まり返っていて、道には私とホームレスの人がちらほらいるだけだ。さすがに恐い。最後はダッシュしてなんとかSears Towerへ。そこでGi、Mariaと無事会えたときは本当に嬉しかった!やっぱり無謀だったなあと後悔。しかしさすがに展望台からの景色は壮観。街全体が金色にきらめいて、絶え間なくきらきら車の流れる道路が川のように見えた。


9月20日 South Dakota 600miles
この日はひたすらドライブ!12時間近くかけて4つの州を越えたらなんと合計600マイル!みんながシカゴで遊んだ分爆睡する中Andrusは疲れた様子など一切見せずに運転してくれた。


9月21日 South Dakota 275miles
画像 このあたりから気候が一変し、かなり冷え込む。予想していなかった のでAndrusに上着を借りた。食事当番が回ってきたのでスーパーに寄 った際GlenとJasonと食材を選ぶ。Badlandsという浸食されてでき た泥の丘陵を散策。雨のせいで溶けて足元が悪かった。その後馬に乗り 丘を登って景色を楽しんだ。ラッキーなことにこの日は少しお金を出し てロッジに泊まることに。普通の一軒家のよう。みんなが家族みたいで心地よかった。夜はキャンプファイアー。それにしてもうちのグループは毎晩飲んでいる。


9月22日 Wyoming 275miles
早朝小雨の中、昨日の泥の丘にハイキングへ。斜面を下りたり飛び越えたりしたので予感どおり滑って転んでしまった!(しかも私だけ)ジ ーパンも身体も泥だらけ。でも面白かった。そして念願だった Mt.Rushmore(米大統領4人の石像)へ。その後もう一箇所、完成し たら世界一大きな石像となるCrazy Horse Monumentへ。すでに着工 してから60年だそうだが、またいつか来て進行具合を見てみたい。夜 はDevil's Towerという大きく尖った岩山の近くでキャンプ。この日も 星がばら撒いたように輝いて、天の川も見えた。寒いのでみんなで火の周りに集まって暖をとる。


9月23日 Wyoming 350miles
夜は寒すぎてなかなか眠れなかった!つらかったのでみんなと共に安い雑貨品店でマフラー、手袋、靴下、インナーなどを買った。シカゴで の真夏のような気候が夢のよう。山地に入るとなんと雪まであった。 GlenとJasonは生まれて初めて雪をみたというのでみんなで雪合戦!
そこら中に牛、鹿(目がくりくりでかわいい)がいて、ムースも歩いていた。Yellow Stone NPに入れたのは夜になってからで、さらに宿泊 場のキャビンまで2時間程かかった。出くわす確率はほとんどないとい うGrizzly Bear(ハイイログマ)に遭遇し、バイソンやエルクが車の横 を堂々と通り過ぎていくのを間近に見た。

9月24日 Yellowstone National Park, Wyoming 移動なし
公園内を見学。といっても広すぎて、回れるのはほんの一区域。大規模な山火事あとの森の再生を見た。途中から晴れてきて景色が綺麗。ハイキングは空気が薄いせいか結構きつかったが、虹のかかった滝はそれ だけの価値があった。午後は別の山にハイキング。Andrusはみんなに 距離を教えなかったが、かなり長距離で休み休み行った。その後へとへ とになり温泉へ。この公園は温泉が沢山わいていて、川と合流して丁度 いい温度になっている。最近はずっとシャワーなのでとても気持ちよかった。帰り道、なんとバイソンの大群に遭遇。何十頭もの大きい(中に は子供も)バイソンが車の両側を通りすぎる。幻想的で言葉が出ない。


9月25日 Wyoming 100miles
午前中規則正しく蒸気を噴出する間欠泉を見たあと、国立公園The Grand Tetonsへ。景色は黄褐色の岩肌から青々とした山と湖へ。湖 畔の山をGiとMariaと写真を撮りながらハイキング。ボートは貸切り状態で贅沢な気分だった。夜Jackson Holeというカウボーイの町に着く。もう遅い時間で、みんなはバーに行き、私たちは閉店した夜の商店街を散策して楽しんだ。


9月26日 Jackson Hole, Wyoming 移動なし
外に出ると水が凍ってテントに霜が降りていた!移動がないので久々にゆっくりしてみんなでパンケーキを焼いてブランチ。そして前夜に下見済みのお店を見に出かけた。昼間は暖かくなってテントを干せた。体を休め、夜は外食。今まで交流の少なかった人と話せてよかった。


9月27日 Nevada 500miles
カリフォルニアを目指し再び長距離ドライブ。ひたすら荒野を走った。気候は温暖になり、夕方着いたキャンプ場は芝生がふかふかで快適。Roscoと相談して夕飯に日本風のカレーを作ったら喜ばれた。夜みんなで映画を観に。自由にやることをその都度決められるのはいい。


9月28日 Nevada 350miles
車の中でみんなに日本語を教えたら、盛り上がって面白かった。車中 ではそれぞれ寝たり、ゲームをしたり、本を読んだりしている。みんな体が大きいので窮屈そう。その点私は小さいのでラッキーだ。夕方 Lake Tahoeという湖に到着。山でのキャンプでは常に熊が出る可能性があると注意されているが、ここには本当にいたらしい。夕方湖畔に下りていつもの3人組で散歩。私は度重なるハイキングで巨大(直径2センチ)なマメができたので靴のまま砂まみれになってはしゃいだ。夕日がとても綺麗で、まだ日にちはあるのに、この二人と離れるのは寂しいなと考えてしまった。

9月29日 California 275miles
ついに最後の州、カリフォルニアに到着!お昼前にBodieと言うゴーストタウンへ。鉱業の衰退と火事のせいで、人が住んでいた形跡だけがそのまま残っている不思議なところだった。午後ヨセミテ国立公園に到着。巨木で有名な公園で、とても楽しみにしていた。ハイキングで根元がトンネルになっている木を見たが、その他の木もとても立派で神秘的だった。マツボックリでさえ人の頭くらいの大きさだった。

9月30日 Yosemite National Park, California 移動なし
画像 朝からハイキング。Half Domeという山の頂まではなんと往復22kmもあるらしい。さすがにそこまで行くのは2名で、その他は途中まで行ったり、ハイキングはしないで乗馬をすることに。途中まででも道のりはかなり険しく、天気も変わりやすく、先が見えなかった!しかし上の景色は迫力満点。風が気持ちよかった。午後はGiとMariaと合流して散策。夕方駐車場に戻るとみんながバンの上に車内の座席を運んで座ってビールを飲んでいて、誘ってくれた。その様子がとてもおかしかった!

10月1日 San Francisco, California 225miles
午後サンフランシスコに着いてthe Golden Gate Bridgeを歩いて渡った後、またAndrusによるシティーツアー。マイクでガイド風に名所を紹介してくれた。車は多いし坂は滑り台のようで、スリリングだった。ホテルのロビーは狭いけれど、部屋は綺麗でジャグジーまであり大興奮。夕方みんなでsunset cruiseへ。ボートのデッキは部分的に網状で、最初はびっくり。夕日のせいでthe Golden Gate Bridgeは昼と全く違う表情。かもめやアザラシの大群に遭遇しながら日が暮れるまで一時間くらい湾内を回った。

10月2日 San Francisco, California 移動なし
フリーデイだったので、GiとMariaと写真を撮ったり中華街を通ったりお土産を買いながらFisherman's Wharfまで歩いた。活気があってさわやかで楽しい。しかし坂が多すぎだ〜。出店で海老のサンドイッチ と生牡蠣を買ってかもめに囲まれながらお昼に。その後ケーブルカーに乗った。超満員で急な坂を上り下りする。そして一つの坂の頂上で、突然停止。しばらく動かない。運転手のおじさんがケーブルを離してしまったようだ。すると坂の下から前に大きな板をつけた車が迫ってきた。 結局その車に支えられながらケーブルが見つかるまで下りていった。恐かった。

10月3日 California 150miles
再び南下。曇天でカヤックができなかったので水族館に。もう山中ではないので設備が整ったRVパークに泊まって快適だった。近くに海があって、夜は真っ暗な中波の音だけを頼りに3人で探検した。本当に何も見えなくて迷いそうだった。その後みんなもやってきて浜辺でキャンプファイアーをして盛り上がった。

10月4日 California 375miles
アメリカで最も景色の良い道路pacific coastをひたすら南下。海が綺麗で、音楽を聴きながら沿岸ぎりぎりを走るのは気持ちよかった。この日はついに最後のキャンプ。夜はバンの上に寝転んで空を見上げたら 流れ星が見えた!キャンプファイアーを囲みながらメンバーのみんなにサインしてもらう。初日からずっとアメリカの地図に進んできた道をなぞっていたので最後の道を記入した。


10月5日 Los Angeles, California 100miles
朝、みんなでテントをしまう。最後の荷揚げが終わったときに拍手が 起きた。毎日繰り返していたこともこれで最後。午後ハリウッドのUniversal Studiosへ。お気に入りのキャラクターのスポンジボブと写真を撮って大満足。その後ハリウッドを見学し、解散場所のホテルへ。夜はみんなで最後の夕食。アメリカで旅行を続ける人もいれば、カナダ、イギリスに仕事を探しに行く人もいる。

10月6日 Los Angeles, California
解散はしたが、朝空港に向かうときにメンバーが見送りに来てくれた。オーストラリアとカナダへ行くメンバーとともにバスに乗る。順番にみんなと別れの挨拶をし、独りになった。特に仲良かった二人とは、また一緒に旅行をする約束をした。実現できますように。

メンバー構成
アメリカ人
オーストラリア人
イギリス人
日本人
1人(リーダー)
10人
1人
2人

使ったお金
・食費
・オプショナルツアー、
 ホテル代
・お土産・その他
3万円
3万円

7万円

生協よりひとこと
勝又さんの参加した「NORTHERN TRAIL」の今期スケジュールは、こちらのパンフレットに掲載されております。このような大陸横断型のツアーは人気があり世界中から予約が集中します。この夏参加をお考えの方は早めにお問合せください。
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