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03年 芝浦工業大学 大学院 電気工学専攻
庄野さん

体力のある学生のうちにどんどん自分の意思で世界を歩き、文化を見てはいかがでしょう。旅行の方法はどうであれ、出来るだけ様々な人と接することができる、そして自分の意思で行動するような機会が多い旅行をお勧めしたいと思います。
  写真1

庄野さんの日程 2003年夏
8/5 成田空港<飛行機>シンガポール空港
シンガポール空港<飛行機>
8/6 フランクフルト空港
フランクフルト空港駅<列車/ICE>ケルン<列車/ローカル線>コブレンツ
8/7 コブレンツ<列車/ローカル線>フランクフルト<列車/ICE>ドレスデン
8/8 ドレスデン<列車/IC>プラハ
8/9 プラハ滞在
8/10 プラハ<列車/EC>ウィーン<列車/EN(夜行列車)> ベニス
8/11-12 ベニス滞在
8/13 ベニス<列車/ES>フィレンツェ
8/14 フィレンツェ滞在
8/15 フィレンツェ<列車/ES>ローマ
8/16 ローマ滞在
8/17 ローマ<列車/ES>ブリンディシ<フェリー>パトラ
翌早朝着
8/18 パトラ<列車/IC>アテネ
8/19 アテネ<フェリー>ロードス島
8/20-21 ロードス島泊
8/22 ロードス島<フェリー>トルコ・マルマリス<バス>アンタルヤ
8/23-25 アンタルヤ泊
8/26 カッパドキア<バス>イスタンブール
8/28-9/1 イスタンブール泊
9/2 イスタンブール空港<飛行機>
9/3 シンガポール空港<飛行機>成田空港

重宝した持ち物
方位磁針、衣類を入れる圧縮パック、粉末のポカリスエットやお茶、アウトドア系メーカーのナイロンジャケット(冷房対策で正解)、文庫本、懐中電灯、十得ナイフ


Q 鉄道旅行は如何でしたか?
写真2A 今回はユーレイルパスを使うことで移動に関しては妥協せずに済み、また1等パスのため空席も多かったです。ただ、国によっては座席予約料が2等より高かったり、1等車両がない列車もありますのでコストパフォーマンスを考えれば悩みどころかもしれません。
 購入する場合は、国別、グループ用など様々な分類がされているので慎重な選択をした方が良いでしょう。
 鉄道車両本体の評価でいえば、様々な鉄道に乗りましたがドイツのICEです。オランダの鉄道もこの車両の導入を決めているそうです。乗り心地、サービス、スピード、更に高速特急でありながら座席指定が義務づけられていないという点でもパスホルダーにとっては最高の鉄道だったと思います。景観はマインツ〜コブレンツのローカル線が素晴らしかったです。ライン川に沿っている線路を、同じ方向であるケルン方面にはICEでも行けるのですが、ICEではこのコースを見られないので鉄道好きにとっては悩みどころです。ギリシャのパトラ〜アテネへの美しい海を眺められる車窓もお勧めルートのひとつですね。

Q 海外旅行には良く行かれるのですか?
写真3A 大学3年次に友人とタイに旅行に行って以来、自由旅行の魅力に完全に取り付かれました。その後、初の一人旅でイギリス、フランスに行き、大学の卒業旅行では悲願の一つでもある「仏教三大遺跡」の最も有名な存在であるアンコール・ワットや「天空の城ラピュタ」のモデルの一つとなったと言われるベンメリアを訪ねて来ました。トレッキングやドミトリーでの生活を通して、世界の各地に友人も出来ました。全く知らなかった「バックパッカー」という言葉も、今ではバックパッカーであるというポリシーを抱く程に定着?してきたと自分で思っています。

Q 学生さんの中で自由旅行=大変というイメージもあるようですが?
写真4A 少し残念ですね。今回旅して特に寂しく感じたのが、旅先で出会った日本人の大学生に理系の人がいなかったことです。たまたまかもしれませんし、研究が忙しく時間を作りにくいという事情もあるかもしれませんが、理系の学生ももっと学生の間にアグレッシブな旅に出たほうがいいと思うし、国際的に技術者として活躍したいなら外国の文化を肌で感じることは必ずプラスになると思っています。事実、欧米の人は文系理系問わず世界中を旅していました。確かに、自分で決める事は多いし一見面倒くさいイメージもありますが、一度行くと二回目以降も自由旅行という人は多いです。みんなも体力のある学生のうちにどんどん自分の意思で世界を歩き、文化を見て来てはと思います。リゾート地は体力が無くなってきてからでも行けますからね。私も理系ですが、学会等の区切りまでは研究に集中して、その後の気が抜けてしまうタイミングを利用し先生にお許しを頂いて行っています。学業が本分なのは当たり前なので、そのメリハリを上手くつけられれば理系でもどうにか時間は作れるのではと思っています。

Q 宿はどうされましたか?
写真5A ドイツ、イタリア、オーストリア、チェコ等の物価が高い国では安い宿を探すのにそれなりの苦労を強いられました。ユースはハイシーズンには大変混雑するので早めに電話やインターネットで予約をしてしまうのが賢明です。予約がない場合は早い者勝ちで、ベニスでは朝10時に行きチェックインまで3時間待ったなんてこともありました。また、ウィーンでは散々ユースを探して彷徨った挙句、全て満室で、寝台特急に飛び乗るなんて事もありました。一方トルコのスルタンアフメット地区には安宿街があり、ここを全てまわって空きが全く無いということは無いと思います。また、トルコの日本人宿は旅行者の間では賛否両論でした。いずれにしても現地で探す場合は、自己責任で治安面、衛生面を自ら考慮しながらということになります。他人やガイドブックの情報は参考になっても責任はとってくれません。宿探しは大変ですが、宿のオーナーと「2泊するから安くしてよ!」とか交渉したりパッケージツアーでは味わえない醍醐味があります。個人的なお勧めは、ドイツ・コブレンツの城塞ユースです。高い位置から、ライン川とモーゼル川の合流地点を何時間も見つめていました。あとイタリア・フィレンツェのキャンプ場にあるユースは、テントに泊まると格安にしてくれるのでテントをお勧めしますね。シャワーなど施設は普通に使えますし、とても快適でした。

Q 旅行中のトラブルがあれば教えてください。
A 日本人旅行者の危機管理意識が低いことによるトラブルは良く聞きます。私もいつも体の前面に貴重品を持ったりと対策はしているのですが、つい油断してしまう事もあります。イタリアの観光名所では鞄に手を入れられましたし、トルコではデジカメを奪われました。手口が巧妙なスリが多く、その手段もいろいろですが基本的に他に注意を持たせてその隙に、というようです。また人通りの少ない地下鉄の通路等を歩く時には厳戒態勢をとったほうがいいと思います。過去に囲まれてしまった事もあるので、人通りの多い大通りを歩くことをお勧めします。

Q 旅行中にいろいろな人に出会いましたね。
写真6A ドレスデンのレストランにいた何故か中日ドラゴンズファンのピアニストとか、国境線での厳しい兵役を終えて旅行中の韓国人留学生、そして世界中を旅していてイラクで兵士に狙撃され、遊牧民と戯れていた脱サラ日本人バックパッカー等キャラクターの濃い人が多すぎて数え切れません。移動を共にし、考えられないような体験談等を聞いていると世の中にはおもしろい、そして強い人達がたくさんいるのだな…とつくづく思いました。

Q 印象に残った土地はどこでしたか?
A インパクトという意味ではドレスデン、プラハ、ベニス、フィレンツェ、イスタンブール等ですが、何故か何もないのに長居してしまったのがトルコのアンタルヤという街です。不思議とのんびりでき、滞在を何日も延長してしまいました。そういう旅行者が他にも何人かいて、「何で何もないのに長居してしまうんだろう…?」と言っていました。またエーゲ海に浮かぶギリシャのロードス島の旧市街は、かつて騎士団が治めていた土地なのですが私はドラゴンクエストの舞台のようだ、という印象を持ちました。そもそもドラクエの世界観は中世ヨーロッパの影響を受けているらしいのですが、この街の武器・防具のレプリカの店や石で舗装されている道などは自分がドラクエの主人公になったかのような気分にさせてくれる街でした。

Q 最後に海外旅行を計画されている学生さんに先輩からひとことお願いします。
写真7A 私はいろいろな趣味に中途半端に手を出してしまうタイプなのですが、旅行はこれまで出会ったどんな趣味よりも純粋な感動、興奮を与えてくれる特別なものだと思います。今回は一ヶ月足らずの旅行でしたが、様々な景色に出会い、人に出会い、様々な事を考え、そして学ぶことができました。この経験は履歴書に書けるものではない「無形の宝」だと自分では思っていて、自分を形成するパーツとしては非常に大きな要素となり成長させてくれたと確信しています。
 これから旅行を計画されていかれる皆さんにも、旅行の方法はどうであれ、出来るだけ様々な人と接することができる、そして自分の意思で行動するような機会が多い旅行をお勧めしたいと思います。最近は様々なパッケージツアーもあり中にはかなり自由に動けるプランもありますので最初はそのようなフリーツアーを利用されるのも良いと思います。


* 生協旅行カウンターからひとこと
写真8 芝浦工業大学生協  大宮店  長嶋 千香子さん
芝浦工大生協では、昨年12月に庄野さんをプレゼンターに「海外旅行Tea Party」を開きました。たくさんの学生さんに参加いただき、みんなで旅行談義に大いに盛り上がりました。これからも"安心で快適なオリジナル旅行"作りのお手伝いをさせていただきたいと思っていますので是非、お気軽にサービスカウンターへお立ち寄りください。これから計画中の方はもちろん体験者からの情報もお待ちしています。Go for it ! Life is short !!
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