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03年 北海道大学 工学部3年
宮本さん

ロータリーに車が行き交う共和国広場。
この直後、大規模なデモが起こる(ローマ)
2003/3/27
  写真1
一人旅、それは計画から行動まで自分が主役となる旅。時に危険を感じ、孤独を感じることもあります。しかし一方で自主的に行動し経験することから得られる達成感や満足感、柔軟な旅程から生まれる出会いなどの思い出が、何物にも換えがたい貴重な宝物となるでしょう。(宮本)

飛行機 鉄道 フェリー
3月7日 新千歳空港(0755)成田空港(0925)
成田空港(1225)フランクフルト空港(1635)
フランクフルト空港駅(1853)
      シュツットガルト中央駅(2008)
3月8日 (シュツットガルト滞在)
3月9日 シュツットガルト中央駅(0951)
      マインツ中央駅(1125)
マインツ中央駅(1320)コブレンツ中央駅(1410)
3月10日 (ケルン/デュッセルドルフ訪問)
3月11日 ケルン中央駅(0910)ハンブルク中央駅(1320)
3月12日 (ハンブルク滞在)
3月13日 ハンブルク中央駅(0728)
コペンハーゲン中央駅(1200)
3月14日 (コペンハーゲン滞在)
3月15日 コペンハーゲン中央駅(0800)
      ストックホルム中央駅(1420)
3月16日 (ストックホルム滞在)
3月17日 フェリーストックホルム(1700)フェリー船中泊
3月18日 ヘルシンキ(1000)
3月19日 (ヘルシンキ/オタニエミ訪問)
3月20日 ヘルシンキ空港(1600)
      ミラノ・マルペンサ空港(1805)
3月21日 ミラノ中央駅(1425)コモ駅(1505)
3月22日 コモ駅(1255)ミラノ中央駅(1335)
3月23日 (ミラノ滞在)
3月24日 ミラノ中央駅(1105)
      ヴェネツィアサンタ・ルチア駅(1420)
3月25日 ヴェネツィア・サンタ・ルチア駅(1033)
      ボローニャ中央駅(1230)
ボローニャ中央駅(1503)
      フィレンツェ中央駅(1610)
3月26日 フィレンツェ中央駅(1330)
      ローマ・テルミニ駅(1510)
3月27日 (ローマ滞在)
3月28日 ローマ・テルミニ駅(1915) 夜行列車 車中泊
3月29日 パリ・ベルシー駅(1030)
3月30日 (パリ滞在)
3月31日 パリ・シャルル・ドゴール空港(2000)機中泊
4月1日 成田空港(1425/1750)新千歳空港(1925)


* 3/7
成田空港から12時間のフライトを終え、16:30(ドイツ時間)フランクフルト空港到着。入国審査後、連絡通路でフランクフルト空港駅へ。ユーレイルパス提示により、予約料金のみでICE(Intercity Express)の乗車券を購入。ミュンヘン行きのICEに乗り1時間20分ほどでシュツットガルト中央駅に到着。駅構内には様々な飲食店、土産物屋、両替などが並ぶ。ここで夕食としてヴルスト(ソーセージ)を食べる。

* 3/8
写真2
シュツットガルトは
メルセデス・ベンツやポルシェの本拠地 。
写真はポルシェ本社ビル。
 朝食後、中央駅へ。近郊列車(Sバーン)を利用し、ポルシェ本社ビルと併設の博物館へ。工場の敷地内、出荷(?)前の数十台のポルシェが並ぶ姿は圧巻。市街へ戻り、現代美術が充実している州立美術館へ。 午後になり、サッカー( VfB Stuttgart vs. HamburgerSV:BUNDESLIGA)観戦のためスタジアムへ。サポーターの群れに飲み込まれながらも試合開始2時間前に到着。HamburgerSVには日本出身の高原選手が在籍していることもあり、人々の日本への関心も高い。現地の人々とも友好的に会話が弾む。夕食後、宮殿など夜景の美しい歴史的建造物を眺め、ホテルへ戻る。

* 3/9
写真3
中世の雰囲気が漂うコブレンツの教会。
 朝食前、ホテル周辺の住宅街を散歩。いたるところに広場(platz)があり、石造りの建物にもドイツらしさを感じる。
 10:00少し前にシュツットガルト中央駅を出発、途中マンハイムでICEからICへ乗り換え、11:30頃マインツ中央駅に到着。大きな荷物は駅のコインロッカーに預け、マインツ市街、ライン川沿いを歩く。この町は、近代印刷術の父と呼ばれるグーテンベルクの生地であり、彼の博物館にも足を運ぶ。
 13:20発のIC2302、通称LORELEY(ローレライ)に乗り込む。冬季は観光船が運休ということもあり、今回は鉄道を利用し、車窓からライン川の眺めを楽しむことにする。
 14:10列車はコブレンツに着く。夕食を取りに小さな酒場へ。バーカウンターに腰掛けると常連の客たちに囲まれ、にぎやかな夕食となる。片言ではあるがドイツ語を使うことで、彼らも良い反応を示してくれる。その後、街の若者でにぎわうインターネットカフェへ。日本からのメールを見るとイラク情勢が少し気になる。

* 3/10
写真4
荘厳な空気に包まれる
ケルン大聖堂の内部。
 9:12コブレンツ発のICに乗る。10:00過ぎ、ケルン中央駅に到着。軽く昼食を取った後、ICEでデュッセルドルフに向かう。実は刃物で有名な町、ゾーリンゲンを訪れる予定であったのだが、列車は日本とは異なり頻繁に遅れが出るわけで、駅構内のアナウンスメントを聞き逃したため誤った列車に乗ってしまったのだった。 一時間半ほどの滞在後、ICE640にて再びケルンに戻る。大聖堂では、509段の階段を上り地上109mの展望台に到達。風に吹かれて眼下にケルンの町並みを見るのは気持ちがよい。17:30になって駅で情報交換をし友人になった日本人二人と合流。三人で少し豪華に夕食をとる。三歳年上の彼らはこの春就職するという。大学院の話、就職の話など興味深い話を聞かせてもらう。部屋をシェアできただけでなく、こういう出会いは旅ならではであり、そこから得られるものを大切にしたいと思った。

* 3/11
ケルン中央駅9:10発のICでさらに北上する。約四時間の行程を終えて13:20ハンブルク中央駅に到着。旅行を始めてから初の雨模様。一時間ほど遊覧船でアルスター湖を巡る。この日、偶然にもハンブルクのコンサートホールでは、ジャズピアニストの小曽根真さんのコンサート。それほどジャズに詳しいわけではないが十分に楽しむ。

* 3/12
写真5   写真6
内陸の都市とは違った雰囲気の海洋都市、
ハンブルグの美しい街並み。
  Hauptbahnhof(Hbf)とは、
ドイツ語で “中央駅”の意。
写真はハンブルグ中央駅。

 この日は終日ハンブルク市内観光。市内電車(Sバーン)に乗り、高原選手の所属するHamburgerSVのスタジアムへと向かう。駅から徒歩で約20分で大きなスタジアムが現れる。中心部へ戻り、市庁舎やハンブルクで特徴的なアーケードをめぐるなどして夕暮れを待つ。地下鉄(Uバーン)でハンブルク港へ。港からの夜景を楽しんだ後、歓楽街のレ−パーバーンへ。おとなしく小さなBARに入り、ポテトフライとビールでドイツ最後の夜を過ごす。帰りの地下鉄(Uバーン)では無賃乗車を取り締まる複数のコントロールマンが出現。改札がないので無賃乗車も容易であり、このコントロールマンの出現に慌てる乗客も少なくない。この日は市内交通乗り放題のハンブルクパワーパスを購入していたのでNo problem!

* 3/13
写真7
調和のとれた建物が並ぶ
ニューハウン港(コペンハーゲン)
起床後、ハンブルク中央駅へ。前日に座席の予約を済ませてあった7:28発コペンハーゲン行きEC31に乗り込む。列車は途中、海を渡らなくてはいけない。ここで列車はフェリーに乗せられ、乗客は船内へ降りる。甲板に出てみると真っ青なバルト海、空は雲一つ無い快晴でとても気持ちが良い。列車はフェリーから降りて再び陸地を走る。四時間半の行程を経てコペンハーゲン中央駅へ到着。EU加盟国であってもデンマークではユーロではなくクローネという通貨単位が用いられている。早速両替、ドイツ以上に円安を実感。市内散策。古い建物を生かしたおしゃれな店舗が多く、石畳、細い路地などとても良い雰囲気。夜になると照明の美しさも加わり、美しい北欧のイメージを裏切らない。

* 3/14
 まずは中央駅にて翌日のストックホルム行きX2000の座席予約。その後中央駅の目の前にそびえるラディソンSASロイヤルホテルへ。建築家アルネ・ヤコブセンの代表的な建築であり、建設当時に家具・インテリアまでも彼がデザインしたという。このホテルのために作られた家具で、北欧デザインのクラシックスになっているものは数多い。エントランスに入りエッグチェアなどをしばし眺めて退散。
 中央駅から2km程のところにあるロイヤルコペンハーゲン陶器工場へ向かう。 工場見学後、バスにて中央駅へ戻る。再び歩いてヤコブセン設計の国立銀行、建築博物館・ブラックダイヤモンドなどのコペンハーゲンを代表する建築を見て回る。昨夜も訪れた老舗のBAR、明日にはもうこの街を出発することを告げるとバーテンダーの渋い声”See you another day in Copenhagen!”心から嬉しくなる。

* 3/15
写真8
旧市街ガムラ・スタン、
夜も美しい石畳の細い路地。
 列車に変更があり、在来線で一時マルメへ。ここはすでにスウェーデンであるが、両国の人々の行き来が多く出入国手続きも無いので、国境を越えた実感はあまり無い。マルメからはスウェーデンが誇る高速列車X2000に乗り込む。車窓からは氷が張って白くなった湖や森の緑が見える。マルメから5時間、14:20ようやくストックホルム中央駅に到着。夕方になり街灯がつき始めるころ、旧市街であるガムラ・スタンへ。ガムラ・スタンを抜け出し王立公園の方へ戻ると、建築を学んでいる一人の旅行者に出会い、旅の情報交換などしながら一緒に街を歩く。

* 3/16
 午前中、北欧の教会建築を見ようと近くのクララ教会へ。午後になり、地下鉄乗り放題、美術館・博物館など入場料が無料になるストックホルムカードを購入。王宮では守衛の交代の様子を見ることが出来る。その後ノーベル博物館へ。

* 3/17
 朝一で向かったのは郊外にあるスコーグスシルコゴーデンという、通称「森の墓地」。ここは広々と緑にあふれ、一人の建築家がランドスケープデザインから手がけたという壮大なもの。フィンランドへはフェリーでの移動。そのため早めに港へ向かう。17:30チェックイン、ユーレイルパスを使って予約していたため割引の特典が受けられる。フェリーは6万トンもある豪華客船であり、あのタイタニックと同じクラスに属するという。17:00定刻通りの出港

* 3/18
 朝起きると、時計の針は7:30をさしていた。しかしスウェーデンとフィンランドの間には一時間の時差があるので実際は8:30。ヘルシンキ到着が10:00の予定なので急いで朝食をとり、荷物をまとめる。港からヘルシンキ中心部まではトラムで向かう。
 最初に向かったヘルシンキ中央駅は、エリエル・サーリネン設計の建物。夕方、地元の情報誌でイベントを探す。フィンランド出身の音楽家の名を冠したシベリウスアカデミーで行われるコンサートを選ぶ。会場では楽器を持ち正装している日本人の姿をちらほら見かける。話を聞くとアカデミーの卒業試験を兼ねた演奏とのこと。コンサートが終わり、先ほど親切にいろいろ教えていただいた方々と食事に行くことに。一人旅の苦労の一つに、一人で食事をしなくてはいけないことが挙げられる。だからこういう誘いはとても嬉しい。一緒に食事をした方々の中には、すでにプロとして活躍されている指揮者・演奏家の方々もいらして、音楽という自分のよく知らない世界の興味深い話を聴くことができた。

* 3/19
写真9
パイプオルガンの演奏が響いた
白亜の大聖堂。(ヘルシンキ)
 白亜の美しいヘルシンキ大聖堂へ向かう。昨夜一緒に食事をしたアカデミーの学生によると、毎週水曜の正午からおよそ15分間、パイプオルガンの演奏があるという。待ち合わせをして三人で中へ入る。演奏が終わると拍手はない。この音楽が“神にささげられるもの”として考えられているからだという。
 その後バスでヘルシンキ工科大学のあるオタニエミへ。建築家のアルヴァル・アールト設計の建物がいくつかあり、それらを見ながらキャンパスを歩く。再びバスに乗って市内へ戻る。アールト設計のフィンランディアホールや国立現代美術館キアズマを鑑賞。この日は他に、アールトが店内全体をデザインしたレストラン「サヴォイ」やアールトデザインの家具を作る「アルテック」、テキスタイルメーカー「マリメッコ」のショップなどを覗く。

* 3/20
 フィンランド空港からおよそ3時間でイタリア、ミラノマルペンサ空港に到着。プルマンバスに乗って所要約1時間、ミラノ中央駅へ。
 ミラノで楽しみにしていることのひとつが、セリエAのサッカー観戦。ミラノには”AC MILAN”と”INTER”の2チームがあり、ともにサン・シーロ/ジョセッペ・メアッツァ競技場を本拠地としている。そのためこのスタジアムではリーグ期間中であれば毎週末、どちらかの試合が行われている。日本出発前、好カードを期待しつつこの週末の対戦カードを調べると”AC MILAN vs. JUVENTUS”!ここまで人気があると、チケット入手が難しい。代行業者に問い合わせると、確かによいシートではあるが高い。結局ミラノにある信頼できそうなホテルを一泊だけ予約して、同時にチケットを手配してもらうことにしておいたのだ。
 このホテルが試合予定日の23日(日)から一泊する中央駅近くの4つ星ホテルである。チケットが手配できているか実際に訪ねてみる。旅行中にも何度かメールで連絡を取りながらこの日に至ったわけだが、このホテルに顔を出すのはこの日が初めて。担当のスタッフはフロントで仕事をしていたが僕を見るなり笑顔で握手。実際にチケットが取れたか質問すると「問題無いよ!」とばかりにチケットを見せてくれる。偽チケットが出回るといった噂もあるので「本物だよね?」と聞くと「俺が保証する!」と言いながら、ホテルの名前の入ったカードの裏に署名入りで同様のことを書いてくれる。お金と交換にチケットを受け取る。同時に試合日時に変更があり22日(土)20:00キックオフとなったことを知る。ジェスチャー付きで「何かあったら俺に電話してくれ!」とばかりの愛嬌のよさに、この国の人々が段々好きになる。

* 3/21
 朝食時、日本から休暇で来ている若いビジネスマンと知り合う。ちょうど靴やカバンなどの見本市があり、一緒に行くことに。相方の名刺で潜入成功。ブースを眺め、本場の見本市の空気に触れ、大満足。
 昼食後、彼はサンレモでの自転車競技大会の前夜祭に行く為、ここでお別れをする。
 その後鉄道で約40分、イタリア湖水地方のコモという小さな町へ。コモではパリから来た女性と知り合いになった。仕事で付き合いのある友達と待ち合わせがあるらしくそれまでの時間、午後の気持ちよい日差しの中で会話を楽しむ。仕事柄アパレル業界に精通していて、ミラノやパリ、コモについてもその文化などの話を聴かせてもらう。待ち合わせの友達が到着。彼女達がフランス語で会話しているのを見ながら、色々な言語でコミュニケーションをとることができる様子に憧れる。簡単な自己紹介後、友達の車で仕事上の関連の工場へ連れて行ってもらう。コモはその美しい湖の水を利用したプリントやジャガードで有名らしい。これもこういう出会いが無かったらありえない貴重な思い出である。
 夜になると少し肌寒くなる。町なかの惣菜屋で食料とワインを買い、自室で夕食。安くて美味い。

* 3/22
写真10
試合開始直前、
超満員で盛り上がる
サン・シーロ/
ジョセッペ・メアッツァ競技場(ミラノ)
 天気は快晴。住人の移動手段として使われている船に乗る。4つほどしかないデッキ上のベンチに座り、往復でおよそ1時間のクルーズ。
 13:00コモからIC(Intercity)で40分。再びミラノ中央駅へ到着。
 サッカーの試合までまだ十分に時間があるので少し仮眠し、AC MILANのファンショップ”MILAN POINT”へ。スタジアムで応援に使うオフィシャルのマフラーや、お土産など購入。試合開始までまだ3時間もあるというのに、スタジアムへ向かう地下鉄はサポーターの群れで大混雑。スタジアムに入り実際に座席を確認すると、MILANサイドのゴール裏1階の前から五列目。MILANサイドのゴール裏1階(1st Bleu)とだけ指定していたのが、まさかこんなに前とは。ピッチまで25mくらいのシートに大満足。ゴール裏2階は熱狂的なサポーターで盛り上がっており、試合開始のだいぶ前から発煙筒やら爆竹やらひどい。試合前に負傷してタンカで運ばれていく哀れなサポーターも何人かいた。そんななか最も心に残っているのは、スタジアムが一つになった”Sound of MILAN”の大合唱。試合前にもかかわらず鳥肌が立つほど感動する。試合の方は2-1でMILANが制する。

* 3/23
写真11
照明が明るく美しい
サン・マルコ広場と
サン・マルコ寺院(ベネツィア)
 この日は特に予定をいれずにミラノの市内観光。レオナルド・ダ・ヴィンチの「最後の晩餐」があるS.M.デッレ・グラツィエ教会やドゥオーモ、工事中のスカラ座などを巡る。日曜のため定休日のところが多かったが、ウィンドウ越しのディスプレイなど見ながら楽しむ。
 朝食後、郵便局へ。北欧を旅していたときの衣類やお土産を日本に送るためだ。11:00、ICでミラノ中央駅を出発、およそ3時間20分でベネツィア・サンタ・ルチア駅に到着。部屋に荷物を置いて街歩き開始。街の中央には逆S字に大運河が通っており、ヴァポレットやゴンドラという水上交通が発達しているが、まずは徒歩でサン・マルコ広場へ向かうことに。細く入り組んだ路地に加えて運河による行き止まりが点在していたり、所々道が交差しているところなどには”→S.MARCO”という掲示があったりと、まさに迷路のよう。
途中、ペギー・グッゲンハイム美術館を訪れ、ピカソやデ・キリコなどの絵を鑑賞する。
20:00、ホテルでチケットを買っておいたナイトコンサートの時間。会場となる教会では、ビヴァルディの音楽がその内部空間に響く。ベネツィアの思い出深い夜となった。

* 3/25
 列車の予約をしに駅へ向かう。今回この駅から乗る列車は、イタリアが誇る超特急ES(イーエススター)。随所にイタリアンデザインが散りばめられていて、真っ赤でグラマラスなシートはまさにラテンの装い。飛行機のようなサービスがなされ、少し覗いた食堂車はイタリアンレストランの雰囲気。ヴェネツィアを出発しておよそ2時間、食の街ボローニャに降りる。
 ボローニャの街中では、道沿いにポルティコと呼ばれる柱廊が続く。アーケードのようでもあり、太陽の強い日差しから歩行者を守っている。等間隔に並ぶ柱の影が映り、中世の街を歩いているかのよう。細い路地を巡ると、職人の工房などもありその中の一つ、木製のハンガーや靴型などを作る工房に入る。若いオーナーは日本に滞在していた経験もあるらしく、日本語とイタリア語の共通点などで盛り上がる。
 15:00過ぎ、ボローニャを出発しICでフィレンツェへ向かう。車窓からは、民家の赤屋根が印象的なイタリアの田舎町の風景が美しい。
 フィレンツェは革製品の流通でも有名で、たくさんの露店が並ぶ。小さなかばん屋を見つけて入ると、フィレンツェ本店のこのメーカーは、最近日本の代官山と大阪にも出店したところだという。グッズを紹介する日本のファッション誌が置いてあり、価格のギャップにびっくり。バイヤー気分になってお土産として小さなものをいくつか購入。帰りに立ち寄った革製品のお店では、日本から美術を学びに来ている留学生に出会う。この街についてのローカルな情報や、革製品を選ぶアドバイスなどくれてためになる。


* 3/26
写真12
芸術的な装飾が見られる
ジェットの鐘楼
(フィレンツェ)
 ウフィッツィ美術館は予約無しでは入館が難しいといわれるが、開館時刻にあわせて訪れてみる。予約ありのツアー客とぶつかるが、別の入り口から、ほとんど待つことなく入館できる。昼食に向かったお店はまだ開店前だったが、スタッフの一人に声を掛けられ、彼らのまかないと一緒に食事をさせてもらう。このお店の紹介が僕のガイドブックに載っていたので、宣伝のためオーナーにコピーをとらせて欲しいと言われる。快諾。
 13:30予定より一つ後のESにてフィレンツェを発つ。予定通りに行かない、時間に対してシビアになっていても始まらない国だけに、このペースに慣れてくるとそれはそれで居心地よく、他の国では得られないような経験が出来たりするので面白い。ようはその国の考え方や習慣に対しての慣れが大事ということ。
 フィレンツェを出発して2時間弱、ヨーロッパに多く見られる「終着駅」の代名詞、ローマテルミニ駅に到着。旅行者を巻き込んだトラブルが多発することで有名な駅だけに気を引き締める。
 広場を基点に街歩きを開始。日本からチェックしておいたローカルなお店など、住所だけ頼りにして探し歩くのも楽しい。工房を訪れると、年配の職人などはたいがい英語が通じず、身振り手振りであったり、店によっては隣の店から英語の話せる若者を連れてきて通訳させたりしてコミュニケーションをとる。
 最後にパンテオンを訪れる。2000年以上前に造られたこのローマ建築は、この旅で最も訪れたいと思っていた建物の一つである。夜のパンテオンはライトアップされ美しい。周囲にはバールやカフェが並び、テラス席からパンテオンを眺めながら夕食をとる。夕食後トリトーネ通りを歩いていると、どこからともなく陽気で怪しいおじさんが近寄ってくる。少し会話をすると予想通り「一緒に飲みに行こう。」と誘われる。悪質な客引きの恐れが大いにあったので、丁重にお断りする。しばしインターネットカフェでメールを打ったりした後、宿に戻る。

* 3/27
写真13
ローマ市内を一望できる
サン・ピエトロ寺院クーポラ
からの眺め (バチカン市国)
 この日のメインはバチカン市国。サン・ピエトロ寺院に入り、クーポラへと上る。途中まではエレベータ(5ユーロ)と階段(4ユーロ)の二通りの行き方がある。階段でもそんな料金をとることに憤りを感じながらも階段で最上部まで上る。かつて多くの参拝者・観光客が歩いた跡をしのばせるように階段は削れ、下り方向に斜面をもっていて歩きにくい。さらにドーム型になっている上方では、屋根が内側に斜めに迫ってきているので、体を内側に傾けながらぐるぐると円を描くように上っていかなければならない。それでもクーポラからの眺めは最高。360度広がるローマの大パノラマに感激する。

* 3/28
写真14
ローマ滞在の3日とも訪れた
パンテオン。
 ローマ最終日、テルミニ駅周囲の少し治安の悪い地域を散策。ローマ市内いたるところで売られている有名ブランドのコピー商品。これらを製造する工場に迷い込んでしまう。この後、コロッセオなどを見て回り、ローマのハイライトへ。この三日間何度も訪れたパンテオンを含め、気の向くままに市内を歩き回る。19:07発のパリ行きの夜行列車に十分間に合うよう宿に戻り、荷造り。ピッツェリアでピッツァを食べたりして時間つぶし。テルミニ駅へ向かいEN(ユーロナイト)に乗り込むと、次は旅のファイナルディスティネーション、パリを目指しローマを後にする。

* 3/29
写真15
アールヌーヴォー調、
メトロの入口(パリ)
 朝になり昨夜車掌に預けてあったパスポートが戻ってくる。車窓に映る風景はパリの田舎町へと変わっていた。
 10:30パリにたくさんある駅のうちのパリ・ベルシー駅に到着。メトロに乗ってモンマルトルに向かう。テアトル広場やサクレ・クール大聖堂を擁するこの地域は、かつてユトリロを始め芸術家の卵達がいつかの成功を夢見て芸術活動をしていた地域である。そんなイメージで宿をとったのだが、モンマルトルのもう一つの顔に気付いていなかった。それはフレンチカンカンで有名なムーラン・ルージュを擁する一大繁華街としての顔である。おかげで昼から客引きは寄ってくるは夜になってもその賑わいが収まらないは。逆に今しかこのうるささにも耐えられないな、などとプラス思考に発想を転換。
 大きな荷物を宿に預けて付近を散策。映画『アメリ』の舞台でもあり、八百屋や魚屋など映画の雰囲気があふれる界隈である。少し歩くと音楽家エリック・サティの家など見つかり面白い。
 マジェンタ大通りに出てさらに道沿いに進む。何気に歩いていたときに突如現れたメトロ駅の出入り口はまさにアールヌーボー様式。エクトル・ギマール設計でおよそ百年前に作られたものと思われる。
 セーヌ川を渡り、ドゥ・マゴやカフェ・ド・フロールなど歴史あるカフェが並び賑わうサンジェルマン・デ・プレ界隈を抜け、この日最も見たいと思っていたカルティエ財団現代美術館を目指す。ガラス張りが美しい財団の美術館を見ていると、警察やらの交通規制が始まる。ここでもイラク情勢に対する大規模なデモが行われている。ただフランス政府もイラク攻撃に反対しているわけで、政府との対立は無く緊迫した感じは受けない。この日はパリの端から端まで徒歩で動いてパリの大きさを実感できる。

* 3/30
写真16
住宅街の中にあって
パリらしい休日を感じられる
アンドロ・シトロエン公園
 朝起きてサマータイムに切り替わったことを忘れていた。まだ9:00過ぎだと思って朝食に降りたときにはすでに10:00過ぎ。朝食を逃してしまう。温情によりクロワッサン一個とオレンジジュースをもらう。
 コンコルド広場から出発しシャンゼリゼ大通りを歩く。凱旋門からはメトロに乗って郊外のラ・デファンスへ。この新都心にモニュメンタルにそびえ立つのが凱旋門の二倍の高さを持つ新凱旋門「グラン・アルシュ」である。その屋上にはエレベータで行くことが出来る。残念ながら霧のため、パリ市内にそびえるオリジナルの凱旋門を見つけることは出来なかったが、パリ市内とは違った高層ビル群の景色を味わう。
 メトロで再び市内へ。セーヌ川左岸を川下に向かって歩く。途中、フランス版自由の女神が立っている中州に寄る。その後、比較的安全で裕福な14区に位置するアンドレ・シトロエン公園に向かう。熱気球が発着していたり噴水で子供たちが水と戯れていたり、パリの幸せな風景を感じる。この後エッフェル塔やユネスコ本部など見て回る。
 サンジェルマン・デ・プレ界隈の花屋さんで、ワーキングホリデーを利用してパリで生活している方に出会う。その後、友達を誘ってくれてみんなで食事に行く。今までフランス語のメニューが全く読めなかっただけに、意味がわかって注文できることに喜びを感じる。会話も弾み、料理も美味しく、この旅最後の夜として思い出深いひと時を過ごすことができた。

* 3/31
写真147
緑が美しいサン・マルタン運河
(パリ)
 この旅行最後の日。大きな荷物を宿に預けて最後の街歩きへ。アメリが水切りしていた場面で知られるサンマルタン運河沿いを散歩。公園の木々の葉と葉の間から太陽の光が差し込む様子がなんともパリらしい。
 大通りを歩いてセーヌ川を目指す。途中威圧的なオペラバスティーユや、古くからリゾート地としての南仏に旅立つ旅行者を送り出してきた、パリ・リヨン駅など立ち寄る。
 パリで最も興味がある建築は調光システムが特徴的なアラブ世界研究所である。この日は訳あって一般人立ち入り禁止であったが、今日パリを立たなくてはいけない旨を伝えると、上司が承諾。ただし階段を上ってエレベータで降りてくるのみという条件付きで。
 セーヌ川沿いの建築物をいくつか眺め、昨夜一緒に食事をした中の一人の家へ向かう。偶然この日計画していたご飯パーティーに呼んでくれたのだ。この12区辺りの住宅街では、パリの私生活が垣間見られるようで心地よい。街なかのケーキ屋でデザートの差し入れを買いアパートへ向かう。昼食はみんなで楽しく過ごす。パリのアパートの一室、BGMはクレモンティーヌ。これ以上にないパリの空気にずっと浸っていたくなる。同時に旅の終わりが寂しくもなってくる。
 16:00少し前、お別れを言ってアパートを出る。メトロで駅に戻り、荷物を受け取ってシャルル・ド・ゴール国際空港へ。18:00前に到着。20:10飛行機は成田に向け、パリを飛び立つ。
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